冷えが原因の頭痛

頭痛の原因が冷え性のこともあるって、知っていましたか?冷え性だと、血行が悪くなることから頭痛が引き起こされるとされています。そんな頭痛に対処するには、まず冷え性を改善することが重要です。今回は、冷え性からくる頭痛への対処法や、漢方薬についてご紹介します。

 

 

そのつらい頭痛、原因は冷え性かも?!

冷え性とは

暑い夏場であっても、手足や下半身が冷たく感じる…そんなときは、冷え性になってしまっているのかもしれません。

 

 

 

冷え性とは、一般に「周囲の気温によらず、いつも手足や腰などの温度が低い状態」とされています。身体のどこか一部分でも、冷えてなかなか温まらない場所があれば、冷え性と考えて良いでしょう。

 

 

 

冷え性の主な原因は、自律神経の乱れ低血圧などによる血流不足です。冷え性になるのは女性の方が多いといわれ、生理や閉経、妊娠、出産などによるホルモンバランスの変化も冷え性につながります。また、普段から低体温の人や、筋肉量が少ない人も冷え性になりやすいようです。

 

 

 

冷え性は、身体の抵抗力の低下や慢性的な疲労感などさまざまな問題を引き起こしがち。頭痛も、冷え性から起こる問題の1つです。

 

 

冷え性が原因で起こる頭痛の特徴

冷え性から起こる頭痛は、片頭痛または緊張型頭痛の特徴を持つことがほとんどようです。片頭痛とは、その名称の通り、頭の片側がズキズキと強く痛むことが多い頭痛です。ただし、頭の両側・後頭部・頭全体のいずれにも、片頭痛は起こり得ます。

 

 

 

片頭痛では、頭痛の症状のほか、吐き気などを伴ったり、目の前がチカチカする・手足がしびれるなどの前兆があることもあるようです。月に1〜3回程度の頻度で起こり、1度起こると、4〜72時間程度痛みが持続するといわれています。

 

 

 

一方、緊張型頭痛は、主に後頭部に締め付けられるような痛みがあることが特徴です。痛みが持続する時間にはばらつきがあり、30分で治まる場合もあれば、1週間痛み続けることもあるようです。

 

 

 

緊張型頭痛は起こる頻度で 2種類に分けられ、ほほ毎日起こるものを慢性緊張型頭痛、起こる頻度が1ヶ月の間に15日未満のものを反復性緊張型頭痛といいます。

 

 

 

片頭痛や反復性緊張型頭痛は頭痛薬の服用である程度抑えられるようですが、慢性緊張型頭痛の場合は頭痛薬や鎮痛剤が効きにくいともいわれています。毎日のように頭痛が続く場合は、市販薬の利用は避け、頭痛外来などを受診するのがおすすめです。

 

 

冷え性から頭痛が起こるメカニズム

なぜ、冷え性だと頭痛が起こる?

冷え性が頭痛を引き起こす主なメカニズムは、3通り。1つは、下半身や手足の冷えのために上半身の血流が滞り、脳の血流量が多くなって血管が拡がった結果、頭痛を感じるといわれるもので、片頭痛の場合はこれに当たると考えられます。

 

 

 

2つめは、冷えによる血流不足で筋肉が硬くなることによって感じる頭痛です。冷え性から緊張型頭痛が起こる場合がこれにあたります。そしてもう1つが、冷え性による自律神経の乱れが原因の場合です。

 

 

 

自律神経の乱れは冷え性の原因の1つでもありますが、逆に冷え性による血流不足も自律神経の乱れを招くのです。冷え性で慢性的な頭痛を感じている場合は、自律神経が乱れていると考えて良いでしょう。

 

 

頭痛だけでなく、吐き気や肩凝りも!

冷え性による血流不足は、頭痛だけでなく、吐き気や肩凝り、むくみ、肌荒れなど、身体にさまざまな問題を引き起こします。普段、冷えの自覚がなくてもこれらの症状があらわれる場合は、内臓型冷え性の可能性も。

 

 

 

内臓型冷え性とは、手足などは冷たくないのに、胃や腸など内臓の温度が低くなっている状態を指します。普通の冷え性と同じく、内臓型冷え性もまた、身体全体の血流不足を招くようです。

 

 

 

身体が冷えると体内の酵素の働きが悪くなるため、免疫力や基礎代謝が低下し、病気になりやすくなるともいわれています。冷え性で頭痛を感じるほどになったら、早めに対処していきたいものですね。

 

 

冷え性からくる頭痛、4つの対処法

まずは、身体を温める!

冷え性からくる頭痛は、冷え性を改善すれば緩和されると考えられています。身体が冷えにくくなるように、服装や入浴などで適度に温めましょう。冷え性の人は、頭痛を予防するためにも、普段から身体を温めることを心掛けると良いでしょう。

 

 

 

ただし、温め過ぎはかえって冷え性の原因となるといわれています。「冷えを感じないが、温かさも感じない」程度がおすすめです。

 

 

服装のポイント

身体が冷えないようにするポイントは、「首」といわれています。冷えが気になる人は、首回り手首足首をできるだけ出さないような服装をすると良いでしょう。また、腹巻きでお腹を温めると、全身の冷えにも効果的とされています。

 

 

 

なお、厚着や過度な重ね着は身体を動きにくくし、かえって冷えを悪化させることもあります。薄手でも保温性の高い素材の服など、やわらかく動きやすい服装を心掛けましょう。おすすめは、薄手の服3枚程度の重ね着に、カイロ(貼るタイプ)の併用です。

 

 

カイロを貼る位置のポイント

カイロを貼る位置は、身体を温めるのに効果的といわれるツボを考慮すると良いでしょう。ツボの位置は、次の通りです。

 

 

  • 大椎 … 首の付け根の中央部分
  • 風門 … 大椎の少し下、肩甲骨の中央少し上のあたり。風邪で寒気を感じるときもここ!
  • 腎兪 … 骨盤のすぐ上から数えて、2番目の背骨のへこみ。へその裏のあたり。
  • 命門 … 腎兪の両隣。
  • 関元 … おへそから指4本分下のあたり
  • 気海 … おへそと関元の真ん中あたり

 

 

ただし、カイロの取り扱いには気を付け、就寝時やコタツなどの中での使用はやめておきましょう。低温やけどの危険があります。

 

 

入浴のポイント

冷え性の場合、血管が温度変化に敏感になっているとされています。熱い風呂は避け、ややぬるめのお湯に少し汗をかくまでゆっくりつかりましょう。入浴剤の使用や、湯船につかりながらの全身マッサージでこりをほぐし、代謝upを図るのも効果的です。

 

 

身体を冷やさない食生活を

温かいものを、栄養バランスよく

冷え性を改善するためには、食生活も重要です。まず、冷たい飲み物や食べ物を控えるようにし、できるだけ温かいものを摂るようにしましょう。冷たいものを摂るときは、ゆっくり口の中で温めるようにして食べると良いでしょう。

 

 

 

次に気を付けたいのは、栄養バランス。5大栄養素といわれる、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルがバランスよく摂れる食事を心掛けましょう。これらの栄養素は、どれが欠けても熱の代謝に悪影響が出るといわれています。

 

 

 

その上で、血管を丈夫にしたり血液の流れを良くしたりする効果のある栄養素(ビタミンC、ビタミンE、DHA、EPAなど)を意識的に補うようにするのがおすすめです。冷え性と血流不足は、お互いがお互いを誘発する関係にありますので、血行を良くするのに役立つとされる食べ物やサプリは、積極的に摂りたいところですね。

 

 

1日3食、腹8分を守ろう

また、食事の量やタイミングも重要です。常に胃が食べ物を消化している状態では、血流が胃に集中するため、手足にまで行き渡らず、冷え性を招きやすいといわれています。しかし、体内で熱を生み出す元となるのも食事ですから、ある程度はしっかり食べなければ冷えは改善されません。

 

 

 

そこで心掛けたいのが、朝・昼・晩の1日3度のタイミング腹8分目という適量を守っての食事です。なお、糖分の摂りすぎも身体を冷やす原因となるようなので、間食やデザートなどは控え目にしましょう。

 

 

適度な運動をする

無理なく続けられる運動がおすすめ

適度な運動は、全身の血行を良くし、かつ筋肉量の増加による代謝の改善も見込めるため、冷え性の緩和に役立つとされています。ただし、やりすぎは禁物。激しいスポーツで汗をかくと、かえって体温が下がってしまい冷えにつながるようです。

 

 

 

また、運動により身体に負荷がかかりすぎると、ストレスになって自律神経の乱れを招く可能性があり、これも冷え性の要因となります。運動は温かな部屋で無理なく行える、ヨガやストレッチがおすすめ。「気持ち良い」と感じる程度を、週に3日以上行うのが良いでしょう。

 

 

すきま時間に軽い動作を

なお、普段、運動する習慣や時間がない人は、すきま時間に手足をこまめに動かすだけでも違います。いわゆる「貧乏ゆすり」のような動きでさえ、血行の促進には効果的。

 

 

 

冷えを感じたら、手足の指先を動かしたり、手首・足首を回したり、腹筋を意識して深呼吸をしたり…といった軽い動作を、温かくなるまで繰り返すのがおすすめです。日常的に習慣づけると、冷え性の改善にもつながるでしょう。

 

 

生活習慣も見直そう

冷え性や頭痛と深い関わりのある、自律神経の乱れは、不規則な生活習慣からも引き起こされることはよく知られています。

 

 

 

就寝・起床の時間がバラバラである、睡眠時間自体が不足している、仕事が忙しく休む暇がない、といった生活習慣が続くと、心身に疲労やストレスが蓄積され、自律神経が乱れてしまう原因となるようです。

 

 

 

規則正しい生活を心掛け、しっかりと休養をとることが冷え性や頭痛の改善・予防につながると考えられます。

 

 

「冷え性で頭痛持ち」の悩みには、漢方もおすすめ?!

「原因から解決」を目指す東洋医学の考え方

西洋医学の立場でみる冷え性

冷え性から頭痛が起こっている場合は、病院で検査しても炎症反応などの異常値は出ず、適切な治療が受けられないことがあります。病院は、主に西洋医学の立場から患者を観ますが、西洋医学では冷え性は病気とはされないからです。

 

 

 

頭痛に対しては病院でも、頭痛薬や痛み止めが処方されるかもしれません。しかし、原因である冷え性を何とかしない限り、頭痛は再び起こってしまうことになります。

 

 

東洋医学の考え方

一方、漢方などの東洋医学では、「身体全体のバランスの崩れにより何らかの症状が引き起こされる → 原因である、バランスの崩れを正すことにより症状の改善を図る」というような考え方をします。

 

 

 

冷え性からくる頭痛の改善を図る場合、漢方では、冷え性の原因を取り除き自己治癒力の向上を目指すことで、頭痛の症状を改善させようとします。

 

 

 

西洋医学と東洋医学、どちらが優れているということはありません。しかし、冷え性からくる頭痛の改善には、生活習慣から正していこうとする東洋医学の考え方が、より適しているといえるでしょう。

 

 

冷え性からくる頭痛に処方される漢方薬とは

片頭痛の場合

冷え性からくる頭痛を、漢方も扱っている病院や漢方薬局などで相談すると、高確率で処方されるのが「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」という漢方薬です。

 

 

 

呉茱萸湯には、身体を温める作用や、胃腸の調子を整え吐き気を抑える作用、沈痛作用の期待できる成分が含まれているため、主に片頭痛の治療に効果的とされています。

 

 

緊張型頭痛の場合

一方、緊張型頭痛では、それぞれの心身の状態に合わせて、違った漢方薬が処方されるようです。なかでも代表的なものは、風邪薬としても有名な、葛根湯

 

 

 

葛根湯には、身体を温めて血行を改善し、肩や首のこりをほぐす作用が期待できる成分が含まれているため、冷え性から緊張型頭痛が起こっている場合にも処方されることがあるのです。

 

 

漢方薬の服用の仕方と注意点

漢方薬の服用の仕方

漢方薬を服用するタイミングは、基本的には食前または食間(食後2時間以上経った後の空腹時)といわれています。しかし、それで食欲が落ちてしまう場合は、その限りではありません。

 

 

 

念のため、薬剤師など専門家に相談した上で問題ないようであれば、食後の服用でも構わないでしょう。なお、効果的な飲み方は、お湯に溶かしたものをリラックスしながら飲むこと、といわれています。

 

 

 

ただし、味や香りが無理な場合は、水で飲み込んでも構いません。ちなみに、呉茱萸湯はかなり苦いのですが、だからといって、ジュースや牛乳で飲むのはやめておきましょう。成分同士が反応を起こしてしまうことがあるそうです。

 

 

漢方薬の注意点

漢方薬は比較的、安全性が高いといわれていますが、副作用が出る場合もあります。主にみられる副作用は、身心の状態に合わない間違った漢方薬を処方されたために起こるもので、既存の症状の悪化や食欲不振、目眩などさまざまな症状があらわれます。

 

 

 

こうした場合や、または服用し続けても効果が見られない場合は、専門家に再度相談して、漢方薬を処方しなおしてもらう必要があります。蛇足ですが、明らかにつらい症状が出ているのに「これは好転反応だ」と主張された場合は、相談先を変えた方が良いかもしれません。

 

 

 

また、多くないとはいえ、含まれる生薬成分に対してアレルギー反応が出る場合もあります。普段から、何らかのアレルギーを持っている場合は特に注意しましょう。

 

 

 

なお、漢方薬は妊婦や胎児、乳幼児に対しての安全性が確認されていない場合がほとんどですので、妊娠中授乳中の人、乳幼児は服用前に、必ず専門家に相談しておきましょう。

 

 

まとめ

 

いかがでしたか?冷え性は頭痛だけでなく、肩凝りやむくみ、肌荒れなどさまざまな不快な症状の原因にもなるものなのですね。緩和するためには、服装や、食事、運動、睡眠などの生活習慣の見直しが大切です。

 

 

 

特に、頭痛がするほどの冷え性なら、身体にもかなりの負担がかかっている筈です。1つずつでも、できることから改善していってはいかがでしょうか。