冷えと更年期障害の関係

特に女性に多い冷え性ですが、更年期にはいると、更年期障害の1つとして冷え性が酷くなる方もおられます。若い頃から冷え性の方も、更年期障害によって、更に冷える可能性があるのです。冷え性とは、そもそもどのようなものなのか、また更年期障害による冷え性の対策などをご紹介致します。

1.冷え性の原因は何?

まずは、冷え性になってしまうメカニズムから説明させて頂きます。どうして冷え性になるのか、順を追って説明したいと思います。

夏でも手や足が冷たい理由は?

夏は暑いので、もちろんクーラーなどを使用しますが、過度に温度を下げると、体の表面部分の温度が下がります。人間は手足などの末端から、体の芯の温度調節を行っており、暑い時は冷やし、寒い時は温めるようにできていますが、クーラーの風に長時間さらされていることで、この調節機能が狂ってしまうことがあります。

 

 

 

自律神経が狂ってしまうと、体温調節が上手くできなくなり、ずっと寒気を感じてしまうこともあるので、クーラーの温度設定には気をつけましょう。

 

 

 

また、夏はどうしても冷たいものを口にしがちです。飲み物もキンキンに冷えたものを飲むことが多いですし、アイスやかき氷、そうめんなど冷たい食べ物を口にする機会も増えます。これらを摂りすぎると、体の深部から冷えてしまい、内蔵型冷え性になってしまいます。

 

夏野菜として知られるトマトやナスも、体の体温を下げてしまう働きがあるので、食べ過ぎには注意しましょう。

 

 

そもそも何故冷えてしまうのか?

冷え性は、一見肌の表面だけが冷たく感じますので、肌を露出していたり、クーラーが肌を冷やすことで怒るように見えますが、実際にはより深部が冷えることで、体温調節機能がうまく機能しなくなっていることが原因です。

 

 

 

体温は36度から37度ほどあって、通常なのに、末端だけが冷えてしまうのが冷え性です。これに対して、体温そのものが36度未満という状態は低体温です。冷え性は、他の人が寒く感じていない場合でも、自分の手足だけが異様に冷たく感じます。

 

 

 

人間の体は、深部の体温を適切な温度である37度に保とうとしますが、筋肉量が少なかったり、血流が悪いと、体温が上がりにくくなります。筋肉の量が少ないと、熱を作り出す力が弱く、体が温まりません。また、血流が悪いと熱を全身に行きたわらせることができなくなります。締め付けの強すぎる服などが、血流を阻害していることもあります。

 

 

2.冷え性になりやすい人とは?

女性の2人に1人が冷え性!

ある統計によると、成人女性の2人に1人が冷え性と言われています。男性でも冷え性の方はおられますが、何故こんなに女性には冷え性の方が多いのでしょうか。それは体のつくりによるものです。女性の体は男性に比べて、筋肉が少ないため、熱を作り出すことがうまくできないことも原因の1つです。筋肉もつきにくい体をしているので、どうしても男性と比べると、冷え性になりやすい構造をしています。

 

 

 

また、女性は月経がありますので、出血によって一時的に血液量が減ることで血の巡りが悪くなり、冷え性になりやすいという原因もあります。特に子宮や卵巣は、血の巡りが滞りやすいので、血液がうまく循環せず、冷え性になるのです。その他にも過度なダイエットや、露出の多い服、締め付けのきつい服など、生活習慣から冷え性になってしまう方もいます。

 

 

若い人だけでなく更年期の人も冷える

冷え性には若い女性だけでなく更年期に差し掛かった女性も悩むものです。次の章で詳しく述べますが、更年期にはいると、ホルモンのバランスが崩れますので、自律神経の働きが狂ってしまうことがあります。自律神経の乱れは、そのまま体温調節機能を狂わせることになるので、冷え性の症状が現れるようになるのです。

 

 

 

また、年を重ねるごとに筋肉の量は落ちてきます。よほど運動をしている人でない限り、筋肉はどんどん衰えますので、熱を生み出す力も減ってくるのです。そうすると、冷え性に拍車がかかります。仕事で重要な役割に就くことも多い40代後半以降の女性は、ストレスも抱えやすいものです。ストレスは、筋肉を凝り固まらせるので、血流を阻害してしまいます。血の巡りが悪くなることで、先に述べたように、熱が全身に行き届かなくなるので、冷え性となることもあります。

 

 

3.更年期障害と冷え性の関係

ホルモンバランスが影響している

女性は卵巣からエストロゲンというホルモンを分泌しています。このホルモンは、自律神経を整える作用がありますが、更年期にはいると、エストロゲンの分泌量が落ちることから、体温調節が上手くいかなくなってしまうのです。エストロゲンがゆっくり減っていけば、あまり感じませんが、急激に減ると体が呼吸や体温維持などの無意識下で行っている生命維持活動についていけなくなってしまいます。

 

 

 

エストロゲンが急に分泌されなくなってしまうと、更年期障害としてほてりやのぼせ、イライラ感などが強まるとともに、今まで経験したことのないような手足の冷えを感じることがあります。これは更年期特有の冷え性です。

 

 

 

また、プロゲステロンというホルモンは、受精卵を温める機能を持っているので、体そのものを温める働きをします。しかし、閉経の近づいている女性は、このプロゲステロンの量も減り、働きも悪くなってしまうので、冷え性になってしまうのです。

 

 

冷えからくるのぼせも更年期特有のもの

冷え性が重症化すると、「冷えのぼせ」と呼ばれる状態になってしまいます。上半身や顔はとても暑いのに、下半身はまるで氷につけたかのように冷たく感じる状態を、冷えのぼせと言います。冷えのぼせは、自律神経が乱れることによって、体が冷え、血流が悪くなり、体に余計な水分が溜まるむくんだ状態になってしまうという悪循環に陥ります。足などがむくんでいると上半身や顔は暑いのに、足先だけとても冷たいという冷えのぼせになってしまいます。

 

 

 

特に運動した後に、下半身はあまり汗を書いていないのに、上半身だけやたら暑かったり、他の人と比べて暑がりなのに末端だけとても冷たい場合は、冷えとのぼせの混在している冷えのぼせになっていると言えるでしょう。

4.更年期障害による冷え性改善には?

ストレス解消や食生活を見直す!

ストレスは、筋肉の緊張につながりますので、血流を阻害し、熱が全身に行き渡らないということを述べてきましたが、これを解消するにはどうしたら良いのでしょうか。筋肉が凝り固まっているのをほぐしてあげるだけでも、だいぶ緩和されますので、軽いジョギングやストレッチ、ヨガなどでリフレッシュしてみるのも1つの手段です。

 

 

 

また、半身浴などでゆっくり体を温めると、軽い運動をするのと同じくらい代謝が上がります。血流を良くするためには、まずリラックスできる運動や趣味を見つけましょう。

 

 

 

食生活では、大豆が有効的です。大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持ちますので、積極的に大豆を摂取することで、減ってしまったエストロゲンの代わりになってくれます。ホットフラッシュや冷えのぼせの改善のためにも、納豆などを食事に取り入れてみましょう。

女性ホルモンの補充療法を行う

減少してしまったホルモンを補充することで、冷え性をはじめとした辛い更年期障害の症状を和らげることもできます。女性ホルモン補充療法(HRT)は、ホルモンを補充することで、根本的な解決を図るものです。HRTではエストロゲンと、プロゲステロンの療法を補充することが一般的ではありますが、個人の症状によって、量を調節されます。

 

 

 

飲み薬や貼り薬で処方されることが多く、メリットとしてはホルモンが補充されますので、ホルモン減少に伴う骨粗しょう症などのリスクが減るということもありますが、5年以上HRTを続けると、乳がんの発生率が上がるという報告もありますので、検討の際は十分に医師と相談すべきです。